ZIPANG-2 TOKIO 2020~国立アイヌ民族博物館誕生~ 速報「アイヌ文化を守る!2020年4月24日 北海道白老郡白老町~白老ポロト湖畔に国立民族共生象徴空間オープン~!(前編)」

先の北海道における地震災害、関西地方ならびに中国四国地方における大雨災害で亡くなられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。


民族共生象徴空間とは

アイヌ文化復興等に関するナショナルセンターです。

「民族共生象徴空間」は、我が国の貴重な文化でありながら存続の危機にあるアイヌ文化を復興・発展させる拠点として、また、我が国が将来に向けて、先住民族の尊厳を尊重し差別のない多様で豊かな文化を持つ活力ある社会を築いていくための象徴という、重要な意義を有する国家的プロジェクトとして、2020年4月24日の一般公開に向けて、北海道白老郡白老町(しらおいぐんしらおいちょう)に整備を進めています。


アイヌ文化の復興等を促進するための主要施設として、

◆北日本初の国立博物館としてアイヌの歴史や文化を様々な視点からわかりやすく紹介する「国立アイヌ民族博物館」

◆アイヌの方々との対話や交流を通じてアイヌ文化を体感できる体験型フィールドミュージアムの「国立民族共生公園」

◆アイヌの方々による尊厳ある慰霊を実現するための「慰霊施設」 を整備するとともに、年間100万人の来場者を目指します。


民族共生象徴空間


アイヌ文化の振興や普及啓発は、1997年のアイヌ文化振興法の施行により、北海道内の各地域を中心に様々な取組が展開され、また、アイヌ文化伝承活動の裾野拡大等の一定の効果が現れたものの、伝承者が減少し、アイヌ語や伝統工芸等、存立の危機にある分野が存在しているとともに、未だなお、アイヌの歴史や文化等について、国民各層の幅広い十分な理解が得られていないといった基本的な課題に直面しています。


このような背景を踏まえ、「民族共生象徴空間」は、「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」(座長:内閣官房長官)が2009年7月に取りまとめた報告書において、アイヌの人々が先住民族であるとの認識に基づき今後展開されるアイヌ政策の「扇の要」として提言されました。


「民族共生象徴空間」は、アイヌ文化を復興するための空間や施設を整備するというものだけではなく、我が国の貴重な文化でありながら存立の危機にあるアイヌ文化を復興・発展させる拠点として、また、我が国が将来に向けて、先住民族の尊厳を尊重し、差別のない多様で豊かな文化を持つ活力ある社会を築いていくための象徴として、複合的意義・目的を有する空間として整備されるものです。


位置

「民族共生象徴空間」の中核区域は、北海道白老郡白老町若草町のポロト湖畔です。
中核区域には「国立アイヌ民族博物館」と「国立民族共生公園」が、ポロト湖東側の太平洋を望む高台には「慰霊施設」が、それぞれ整備されます。


アクセス


国立アイヌ民族博物館

※本イメージ図は、設計段階における案であり、変更の可能性があります。

日本国内には、東京、京都、福岡などに全部で7館の国立博物館があります。 国立アイヌ民族博物館は、北海道では初めて作られる最北の国立博物館です。


国立アイヌ民族博物館では、伝統的なアイヌ文化を一面的に展示するわけではありません。現代に息づく多様なアイヌ文化とそれに関わる人々をさまざまな視点から紹介します。北海道から世界へアイヌ文化を発信し、未来のアイヌ文化の創造に寄与します。


博物館の理念

国立アイヌ民族博物館は、日本の先住民族であるアイヌの尊厳を尊重し、 国内外にアイヌの歴史・文化等に関する正しい認識と理解を促進するとともに、 新たなアイヌ文化の創造及び発展に寄与する。


展示構成


アイヌ文化への興味や好奇心をかき立てる「導入展示」が、来館者の皆様を展示室空間へといざないます。


また、基本展示室の中央には、代表的な資料を通してアイヌ文化を一望できる「プラザ展示」を配置し、アイヌの人々の視点で語る「6つのテーマ」に沿って、過去から現代までを一体的に紹介します。


「子ども展示」では、6つの展示テーマに対応するアイテムを手に取ってみたり、遊んでみたりすることで、体感的にアイヌ文化について学ぶことができます。


アイヌの人々の視点から~私たちの~という語りで始まる6つのテーマ展示

私たちのことば アイヌ語とはどのような言語なのか、日本語との関わり、アイヌ語由来の地名などから、アイヌ語という「ことば」を紹介します。口承文芸や、危機言語であるアイヌ語の復興についても取り上げます。


◆私たちの世界(信仰) アイヌの世界観の中心となる、カムイ(神)の考えかた、自然観、死生観などについて紹介します。また、イオマンテ(霊送り儀礼)をはじめとする儀礼について、使われる道具や儀礼のもつ意味を通じて、アイヌの世界観にふれていきます。


◆私たちのくらし 衣食住、人の一生、音楽や舞踊など、アイヌ文化の特色や地域差を、さまざまな資料やAR技術を通して紹介します。また、それらの文化伝承に携わる現在のアイヌの人々についても紹介します。


◆私たちの歴史 地図と年表が連動する「ヒストリーウォール」を体験しながら、現代に続くアイヌの歴史のひろがりと連なりを視覚的にわかりやすく紹介します。


◆たちのしごと 生活の根となる「しごと」について、狩猟、漁撈、採集、農耕といった伝統的な生業にふれていきます。そこから現在を生きるアイヌの人々の仕事まで通して見ていくことで、伝統文化が変容しながら現代までつながっていることを紹介します。


◆私たちの交流 アイヌの人々は、まわりの民族と交流を行ってきました。交易品を通じて、さまざまな文化や民族との交流をたどっていくとともに、現在に続く民族共生のありかたを見ていきます。



国立民族共生公園


国立民族共生公園は、自然と共生してきたアイヌ文化を尊重し、多様な来園者の理解を促進するとともに、豊かな自然を活用した憩いの場の形成等を通じ、将来へ向けてアイヌ文化の継承および新たなアイヌ文化の創造発展につなげるための公園です。


「アイヌ文化の理解と交流を促す空間」「アイヌの自然観に触れる空間」「アイヌの伝統的な生活を体感する空間」の3つのテーマを設定し、アイヌの伝統的家屋「チセ」(アイヌ語で「建物」の意)を再現しアイヌ生活を体感する「コタンゾーン」、アイヌ古式舞踊(ユネスコ無形文化遺産)を観ながら体験交流できる「体験交流ホール」、木彫等のアイヌ文化を体験できる「工房」などの施設からなる体験型のフィールドミュージアムです。


さらに、ポロト湖周辺の豊かな自然環境、美しい景観を活かしながら、アイヌの自然観に触れることができるゾーンを整備。アイヌの方々との対話や交流を通じて、異なる民族がお互いに尊重し、共生する社会のシンボルとなる空間を目指します。 豊かな伝統を未来へとつなぐ、多彩な体験交流プログラムがあなたをお待ちしております。



体験交流施設~体験交流ホール・体験学習館


体験交流施設は、自然と共生してきたアイヌ文化への理解を深める場として、「体験型フィールドミュージアム」の中核を担います。


「体験交流ホール」は、アイヌ古式舞踊(ユネスコ無形文化遺産)やムックリ(口琴)やトンコリ(五弦琴)の演奏等の公演を通じて、国内外からの来園者の皆様と演者による「顔の見える交流」を促進します。
ステージの背景として、ガラス越しにコタンゾーン及びポロト湖を望むことができ、公園周辺の豊かな自然と四季折々の風景が各プログラムに華を添えます。
客席は、固定席、稼働席及び立ち見席を合わせて500席程度、国際会議等の多目的利用も可能です。


「体験学習館」では、修学旅行生をはじめとする団体のお客様を対象に、アイヌ語、ムックリ(口琴)演奏、伝統的生業体験、木彫・刺繍製作など、多彩なプログラムを通じてアイヌ文化に触れていただくことができます。
また、小さなお子様向けには、アイヌ文化を遊びながら楽しく学んでいただくことができる「キッズプログラム」をご用意してお待ちしております。



コタンゾーン~伝統的家屋(チセ)群・工房

アイヌの伝統的家屋「チセ」(アイヌ語で「建物」の意)等を再現し、狩猟・採集、耕作などの伝統的生業、カムイノミをはじめとする伝統的儀礼等を通じて、アイヌの伝統的な生活空間を体感いただくことができるエリアです。 コタン(アイヌ語で「集落・村」の意)でのアイヌの暮らしが息づく空間の中で、口承文芸の披露や、その昔アイヌの子供たちが楽しんだ遊びの体験等を通じて、アイヌの方々と来園者の皆様とによる対話や交流を促進します。 また、併設される「工房」では、アイヌの方々が受け継いできた木彫や刺繍、織物等の伝統工芸品の製作風景の見学のほか、来園者の皆様にも工芸品の製作を体験いただくことができるメニューをご用意いたします。



エントランス・チキサニ広場・芝生広場

「いざないの回廊」「歓迎の広場」を抜けて、その先のエントランスにて、来園者の皆様を「民族共生象徴空間」にお迎えします。
「エントランス」は、アイヌ文化への「入口」となるガイダンス機能のほか、レストランやショップなど、来園者の皆様に快適にお過ごしいただくためのサービスを提供いたします。
チキサニ広場・芝生広場は、ポロト湖畔の美しい景観や豊かな自然を活用した、来園者の皆様の憩いの場、また、屋外でのアイヌ古式舞踊披露等、様々な体験交流活動やイベント等のための広場です。


アイヌの人たちの衣服「ふだん着と晴れ着」

ふだん着

樹皮衣。アイヌ語でアットゥシと呼ばれる(公益財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構蔵) 


晴れ着

木綿衣。噴火湾沿いの地域に見られる衣服で、アイヌ語でルウンペと呼ばれる(公益財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構蔵)


アイヌの人たちの伝統的な衣服

日々の生活においてアイヌの人たちが身にまとう衣服には、ふだん着と特別な儀式のときの晴れ着とがあります。アイヌの人たちの最も古くて伝統的な衣服は、江戸時代後期に和人が記した『蝦夷嶋奇観(えぞとうきかん)』などに見ることができます。そのなかにはアイヌの人たちが伝統的につくり上げてきた衣服や他の民族との交流、交易によって手に入れた衣服があることがわかります。


アイヌの人たちがつくり上げた伝統的な衣服には、オヒョウニレやシナノキなどの樹木の内皮で織った衣服やイラクサの植物繊維で織った衣服、サケ、マスなどの魚皮を継ぎ合わせてつくった衣服、アザラシ、ヒグマなどの動物の毛皮でつくった衣服、エトピリカの鳥羽を縫い合わせてつくった衣服があります。


また晴れ着には、和人など他の民族との交流、交易で手に入れた木綿や絹製の布でつくられた衣服や山丹服(さんたんふく)、陣羽織のように他の民族が使用した衣服を手に入れて儀式用に着られた衣服などがあります。 多くの種類の衣服のなかでも、母から娘に伝える伝統的な技術でつくられたアイヌの人たちの衣服は、男性用、女性用の区別がなく、北海道内各地域やサハリン(樺太)など、その地方の特徴をあらわす文様が施されたものが多くみられます。


また、衣服のほかに身につけられるものには、儀式や労働のときの鉢巻き、手甲、脚絆、前掛けや冬山などで狩りをするときに寒さを防ぐ木綿や毛皮でできた帽子、サケ皮、シカ皮でつくられた靴などがあります。

※公益財団法人 アイヌ民族文化財団「アイヌの文化を学ぶ」より


続く・・・


参考 アイヌ文化の振興 ー経緯ー


アイヌ文化振興等に関して

平成9年5月,アイヌの人々の誇りの源泉であるアイヌの伝統等が置かれている状況を考慮し,アイヌ文化の振興等を図るための施策を推進することにより,アイヌの人々の民族としての誇りが尊重される社会の実現を図り,あわせて我が国の多様な文化の発展に寄与することを目的として,「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律」が成立しました。 この法律に基づき,「公益財団法人アイヌ民族文化財団」が行う,アイヌに関する研究,アイヌ語の振興,アイヌ文化の伝承再生や文化交流,普及事業,優れたアイヌ文化活動の表彰,アイヌの伝統的生活空間(イオル)の再生事業などについて補助を実施し,アイヌ文化の振興等を図っています。


国立アイヌ民族博物館について

平成26年6月,アイヌ文化の復興等に関するナショナルセンターとして,アイヌの歴史,文化等に関する国民各層の幅広い理解の促進の拠点並びに将来へ向けてアイヌ文化の継承及び新たなアイヌ文化の創造発展につなげるための拠点となるよう,民族共生の象徴となる空間(以下,「象徴空間」という。)を北海道白老郡白老町に整備することが閣議決定されました。文化庁では,象徴空間の中核区域に構成される施設の一つである国立アイヌ民族博物館※を設置することとしており,整備・運営に関する調査検討を行っています。
※博物館の名称については,平成28年5月13日に開催されたアイヌ政策推進会議において,決定されました。


鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」の明和町観光大使


協力(敬称略)

文化庁〒100-8959 東京都千代田区霞が関3丁目2番2号電話番号(代表)03(5253)4111

国土交通省 〒100−8918 東京都千代田区霞が関2-1-3 (代表電話) 03-5253-8111


※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。   

ZIPANG-2 TOKIO 2020

2020年東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。この機会に、世界の人々にあまり知られていない日本の精神文化と国土の美しさについて再発見へのお手伝いができればと思います。 風土、四季折々の自然、衣食住文化の美、神社仏閣、祭礼、伝統芸能、風習、匠の技の美、世界遺産、日本遺産、国宝等サイトを通じて平和な国、不思議な国、ZIPANG 日本への関心がより深かまるならば、私が密かに望むところです。

0コメント

  • 1000 / 1000