このたびの平成30年 7月豪雨、9月台風並びに北海道大地震により、亡くなられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。
『石州モノは、凍てに強く、水を通さない。』『とにかく固くて丈夫な瓦』瓦職人の間で、昔から語り継がれてきた言葉です。
この屋根が石州瓦とは驚きです!20世紀末ウィーンに華開いたユーゲントシュティール(世紀末芸術)鉄道の駅舎等を設計した建築家オットー・ワグナーや、グエル公園設計のため破砕タイルの施工法を考案したバルセロナのモデルニスモの建築家アントニオ・ガウディも生きておれば、その技術にきっとビックリするに違いない⁉
日本各地に残る城下町の瓦の殆どはいぶし瓦ですが、そのいぶし瓦が日本に登場するのは、安土・桃山時代です。
国宝 松江城
松江城は,松江市街の中心部,亀田山に築かれた平山城である。慶長5年(1600)に出雲・隠岐の領主となった堀尾氏が,同12年より築城を開始し,同16年にほぼ完成した。現在の天守はこの時につくられたものです。
外観は四重,内部五階,地下一階の形式で,正面の南面には玄関となる附櫓を設け,屋根はすべて本瓦葺です。軸部は長さ二階分の通し柱を多用しており,周囲に包板)を釘や鎹,帯鉄で取り付けた柱も多数見られます。部材の番付は二種類に大別され,二階以下に用いられた分銅紋に「富」の字を刻む部材は,安来市にあった富田城の部材と思われます。
松江城天守は,中国地方に唯一残る荘重雄大な四重五階の天守になっています。最近になって再発見された二枚の祈祷札から,慶長16年(1611)の完成が明らかとなりました。
通し柱による構法などの独自の建築的特徴を有し,近世城郭最盛期を代表する建築として極めて高い価値があります。防御性を重視した中世山城から,高層化して近世都市の基軸へと進展してきた我が国の城郭文化の様態をあらわしており,深い文化史的意義がある城です。
宮殿ホテル 川久…中国北京の紫禁城と同じ、老中黄の瑠璃瓦
紺碧の海を望む、宮殿ホテル 川久は世界各国の一流職人による匠の技を
集結して造られた“夢の城”。
伝統技術が今に息づく、色あせない建築美は1993年、
優れた建造物に授与される「村野藤吾賞」を受賞しています。
老中黄の瑠璃瓦
中国北京の紫禁城と同じ、目にも鮮やかな老中黄の瑠璃瓦。かつて皇帝以外使うことが許されなかった瓦が、長い歴史上唯一、ホテル川久に47万枚使われています。
城壁を飾る煉瓦
イギリスIBSTOK社製の煉瓦でデザインされた城壁。73種類140万個、形状様々な煉瓦の組みあわせで巧妙な模様を作り出しています。
和歌山県西牟婁郡白浜町3745 TEL:0739-42-3322
どんちっち神楽時計
石州瓦 本来待 和型 島根県浜田市
平成15年「どんちっち神楽時計」亀谷窯業施工例
浜田市のJR浜田駅前に設置された「どんちっち神楽時計」
神楽の町のシンボルとして時を刻んでいます。毎日、1時間ごとに5分間、にぎやかな石見神楽のはやしに乗って時計台のからくりが動き出し人気演目「大蛇」を繰り広げます。通常、高さ5Mが8.5Mまでせり上がり、神楽殿の御簾が開き、大蛇とスサノオノミコトが現れ、大蛇が霧状の水を吐いて暴れます。
日本各地に残る城下町の瓦
日本各地に残る城下町の瓦の殆どはいぶし瓦ですが、そのいぶし瓦が日本に登場するのは、安土・桃山時代。中国は明国の一観という人物がもたらしたと言われています。一観は織田信長の命により、初めて天守閣を持った平城安土城の粘土瓦を製造していますが、この時に粘土瓦を燻す製造法と、木型と粘土の間に雲母粉をふって脱型しやすくする工夫を伝えたようです。
安土城
スペイン・セビリア万博(1992年)で原寸大に復元された安土城天主(5・6階)が収蔵・展示されています。内部には狩野永徳に描かせた「金碧障壁画」を復元。 金箔10万枚を使用した外壁や金の鯱をのせた大屋根など絢爛豪華な安土城が蘇っています。このほか、織田信長関係の資料も展示されています。文芸の郷(信長の館)近江八幡市安土町桑実寺800番地
中世の安土に関する資料を中心に集めた資料館。特に20分の1のスケールで再現された幻の安土城は見応えがあります。安土城郭資料館(安土城の模型展示)近江八幡市安土町小中
安土城天守閣(写真上)と安土城模型(写真中)と安土城跡(写真下)
安土城跡
JR安土駅の北東、標高199mの安土山一帯にある織田信長(1534-82)の居城跡。国指定の特別史跡です。天正4年(1576年)から織田信長が約3年の歳月をかけて完成しました。安土・桃山時代の幕開けとして築城されましたが、織田信長が倒れた本能寺の変後、焼失して石垣だけが残っています。安土山の南側には、堀が巡っていて往時の名残りを留めています。天主跡と本丸跡には礎石が、また二の丸跡には、豊臣秀吉が建立した織田信長廟が残っています。天主閣跡から東へ少し下った黒金門跡(くろがねもんあと)付近には、壮大な石垣もあります。また、山の中腹には家臣団屋敷跡があり、山の尾根づたいに北へ行くと八角平や薬師平があります。城山の中心部への通路は、南正面から入る大手道のほかに、東門道、百々橋口道、搦手道などがあります。
城の外面は各層が朱色・青色・あるいは白色、そして最上層は金色だったといいます。内部は、狩野永徳が描いた墨絵で飾られた部屋や、金碧極彩色で仕上げた部屋などがあり、当時の日本最高の技術と芸術の粋を集大成して造られたといわれています。わが国最初の本格的な天主の建築は、この安土城が始まりとされ、歴史上に名を残す名城跡です。〈特別史跡〉安土城跡
国宝 犬山城
国宝犬山城は、室町時代の天文6年(1537)に建てられ、天守は現存する日本最古の様式です。木曽川のほとりの小高い山の上に建てられた天守最上階からの眺めはまさに絶景。周辺には犬山城下町の古い町並みや、多くの観光施設があります。信長・秀吉・家康が奪い合い、歴史の荒波を生き残った、国宝犬山城をご覧ください。
天守のみどころについて、ご案内いたします。
犬山城魔除け「亀の甲羅に桃がのった形をした魔よけ。」
入母屋破風(いりもやはふ)
入母屋造り(切妻造りの屋根の四方にひさしをつけて、一つの屋根としたもの。)の妻にある破風。
唐破風(からはふ)中央が弓なり状にせりあがっているものをいう。
石落とし「石落とし」は石垣より突出している防備で、石を落として石垣からの侵入者を防いだ。
付櫓(つけやぐら)天守の入り口が敵兵に破られそうな時、側面から攻撃を加えて防備する。
国宝松本城
松本城は戦国時代の永正年間に造られた深志城が始まりで、現存する五重六階の天守の中で日本最古の国宝の城です。黒と白のコントラストがアルプスの山々に映えて見事な景観です。大天守と、泰平の世になって造られた辰巳附檜・月見檜のまとまりは「複合式天守」と呼び、それぞれの時代を象徴しています。この連結複合式天守は松本城だけに見られる特徴的な構造です。
世界文化遺産・国宝 姫路城
世界文化遺産・国宝 姫路城
国宝姫路城は平成5年12月、奈良の法隆寺とともに、日本で初の世界文化遺産となりました。
姫路城の春
姫路城のライトアップ
世界文化遺産とは、文化庁が国宝や重要文化財などに指定している歴史的、普遍的価値のあるものの中から推薦。イコモス(国際記念物遺跡会議)の審査を経て、ユネスコの世界遺産委員会で正式に指定されたものです。
現在指定されている世界遺産は、エジプトのピラミッド、フランスのベルサイユ宮殿、中国の万里の長城などがあります。いずれも芸術的価値のあるものや、時代を象徴するものばかりで、姫路城は17世紀初頭の日本の城郭建築を代表する史跡建造物として評価を得ました。
評価された理由
姫路城が世界遺産に登録されたのは、
・その美的完成度が我が国の木造建築の最高の位置にあり、世界的にも他に類のない優れたものであること。
・17世紀初頭の城郭建築の最盛期に、天守群を中心に、櫓、門、土塀等の建造物や石垣、堀などの土木建築物が良好に保存され、防御に工夫した日本独自の城郭の構造を最もよく示した城であること。 などが評価されたためです。
城下町という名の近世日本の都市開発
信長の安土城から20数年後、日本は近世江戸時代を迎えます。このとき日本全国ほぼ一斉に始まったのが300諸侯を数える城下町の建設。天守閣を持った城を中心に上級の武家屋敷、下級武士の長屋群、工商の町屋群、寺町などを有機的に配置、水路と道路をたくみに配した城下町の建設は、まさに近世日本300年の体系をスタートさせる、画期的な都市開発だったわけです。
この町造りに、瓦は大きな役割を果たしていきます。まずは天守閣を飾る屋根瓦は権威の象徴、武家屋敷群や町家群の瓦屋根は、火災から町を守る防火の役割を、寺町に集中する寺院建築群は、いざという時の出城機能と記録の焼失を防ぐ役割を持っていたわけですが、瓦は武家の権威と城下町の防災機能を高める…
という大きな役割を担っていたのです。
続く・・・
協力(順不同・敬称略)
石州瓦工業組合 〒695-0016 島根県江津市嘉久志町イ405 TEL 0855-52-5605
カラカミ観光株式会社「ホテル川久」
〒649-2211 和歌山県西牟婁郡白浜町3745TEL:0739-42-3322
滋賀県庁 〒520-8577 大津市京町四丁目1番1号 TEL 077-528-3993
(公社)びわこビジターズビューロー〒520-0806 大津市打出浜2番1号
「コラボしが21」6階 TEL 077-511-1530
一般社団法人 近江八幡観光物産協会
〒523-0864 滋賀県近江八幡市為心町元9番地(白雲館内)TEL:0748-32-7003
国宝犬山城 〒484-0081 愛知県犬山市犬山北古券65-2 TEL.0568-61-1711
長野県観光機構〒380-8570長野市大字南長野字幅下692-2 長野県庁内TEL:026-234-7165
姫路市役所〒670-8501 兵庫県姫路市安田4丁目1電話: 079-221-2111
文化庁〒100-8959 東京都千代田区霞が関3丁目2番2号 電話番号(代表)03(5253)4111
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」の明和町観光大使
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