熊野那智大社御本殿
熊野烏牛王神符
この神符は烏72羽を以って神文を書き俗に「おからすさん」又「千羽烏」とも称し古来より悪魔退散の御神符として熊野詣での人々がその参詣の印として受け家の神棚などにお祀りされました。
また、起証文に用いられていることなどで有名であり、結びの熊野権現の御神徳と信仰を今に伝えています。
現在でも年末から年明けにかけて牛王神符に関する数多くの祭典が御奉仕されており、社頭授与所においても牛王神符を領布しております。
熊野三山とは
熊野三山の歴史
紀伊半島の南部は、神々の霊が隠れ籠る独自の聖域をなし、古来「熊野」と総称されてきました。
ここに古代以来、祀られてきたのが、本宮、新宮、那智の熊野三社です。本宮は熊野川の中洲にあって、川を神格化したものとされ、主神は家津御子大神(けつみこおおかみ)。新宮は熊野川の河口近くにあり、水玉の勢いを示すという熊野速玉大神(くまのはやたまおおかみ)が主神。那智は大滝の聖水のもつ生産力への信仰が根源とされ、熊野夫須美(産霊)大神(くまのふすみおおかみ)を主神に祀っています。
平安後期には神仏習合によって、三社の神々にも本地仏(ほんじぶつ)があてられ、仏が権(かり)に現れたものとして、熊野三所(十二所)権現とよばれました。三社ともにお互いに三所(十二所)権現を祀りあい、熊野三山として、現世と来世での救いを願う朝野の人々の崇敬を集め、文字どおり「日本第一大霊験所」を唱え発展してきました。
那智山青岸渡寺も裸形聖人(らぎょうしょうにん)が那智大滝で感得した如意輪観音(にょいりんかんのん)を祀った如意輪堂が初拝。12世紀中頃には西国三十三観音霊場の第一番札所に位置しています。
熊野三山の信仰は、100度に及ぶ上皇の熊野御幸として花開き、鎌倉時代以降は庶民にも広まり「蟻の熊野詣」とまで形容されました。その信仰はまさに「全国区」の展開をしています。
世界遺産登録
紀伊山地の熊野三山、高野山、吉野、大峯は、古来以来「南山」と呼ばれ、自然崇拝に根ざした神道、外来の仏教、その両者が結びついた修験道など多様な信仰形態を育んだ神仏の霊場です。また、熊野参詣道、高野山町石道、大峯奥駈道などの参詣道(古道)とともに広範囲にわたり極めて良好に保全され、山岳、森林と一体となった「文化的景観」を形成しています。
2004年7月、熊野三山を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」が日本で12番目の世界遺産に登録されました。
那智の大瀧
熊野那智大社
祭神
〈主祭神〉熊野夫須美大神(伊弉冉尊)
〈配祀神〉大己貴命 家都御子大神(素戔鳴尊) 國常立尊 御子速玉大神(伊弉諾尊) 泉津事解之男尊 天照大神 天忍穂耳命 瓊瓊杵尊 彦火火出見尊 彦波瀲武鸕鷀草葺不合尊 國狹槌尊 豊斟渟尊 埿土煑尊 大戸之道尊 面足尊 建角身命 稲荷大神 道祖神 役行者 罔象女神 大山祇神 樟霊神
御由緒
熊野那智大社社伝に「神武天皇が熊野灘から那智の海岸“にしきうら”に御上陸されたとき、那智の山に光が輝くのをみて、この大瀧をさぐり当てられ、神としておまつりになり、その御守護のもとは、八咫烏の導きによって無事大和へお入りになった」と記録されております。
命の根源である水が豊富にあふれ落ちる「那智大瀧」を、この熊野に住む原住民の人々も神武天皇御東征以前からすでに神として奉祀されていたとも伝えられていますが、いずれにいたしましても古代からこの大瀧を「神」としてあがめ、そこに国づくりの神である「大巳貴命」(大国主命)をまつり、また、親神さまである「夫須美神」(伊弉冉尊)をおまつりしていたのであります。
その社殿を、お瀧からほど近く、しかも見晴しのよい現在の社地にお移ししたのは仁徳天皇五年(三一七年)と伝えられています。この時、大瀧を「別宮飛瀧大神」とし、新しい社殿には「夫須美大神」を中心に、国づくりに御縁の深い十二柱の神々をおまつりしました。 やがて仏教が伝来し、役小角を始租とする修験道がおこり、古来の神々と仏とを併せてまつる、いわゆる神仏習合の信仰が行なわれるようになりました。
その後、「蟻の熊野詣」といわれる程に全国から沢山の人々が熊野を目指すことになるのですが、中でも、皇室の尊崇厚く、延喜七年(九〇七年)十月、宇多上皇の御幸をはじめとして、後白河法皇は三十四回、後鳥羽上皇は二十九回もご参詣の旅を重ねられ、また花山法皇は千日(三年間)の瀧籠りをなされたと記録されております。
なお「熊野」という地名は「隈の処」という語源から発しているといわれていますが、だとすれば、ここは奥深い処、神秘の漂う処ということになります。また「クマ」は「カミ」と同じ語で、「神の野」に通じる地名ということにもなります。
その「神の里」に詣で、漂う霊気にひたり、神々の恵みを得ようとして、古代から多くの人々が熊野へ、そして那智山へ参詣されています。
那智大社別宮飛瀧神社
那智の火祭
熊野那智大社例大祭(扇祭)(那智の火祭)
この祭典は、熊野那智大社の例大祭で毎年7月14日に斎行されます。別名「扇祭」「那智の火祭」として有名です。
神代の昔から人々は「水」を万物生成の根源と尊び、神武天皇御東征のみぎり、この那智の瀧を敬仰し、神として尊び崇め、仁徳天皇5年(317)の御世に改めて那智山中腹に社殿を造営し、神々をお遷しになられました。「那智の火祭」は、この御遷宮、御鎮座をしのぶ神事であり、神霊を振い起し、万物の生成発展を祈る神事であります。
十二体の扇神輿に遷御された御神体は熊野十二所権現を表し、その扇神輿の形象は飛瀧を表します。
日本三大火祭りの一つとされる「那智の火祭」は当社の例大祭「扇祭」の一幕です。
十二体の熊野の神々を、御滝の姿を表した高さ6mの十二体の扇神輿に移し、御本社より御滝へ渡御をなし、那智大滝の参道で重さ50kg~60kgの十二本の大松明でお迎えし、その炎で清める神事が御火行事であり、「那智の火祭」といわれる由縁です。
当日は、ユネスコの無形文化遺産や国指定重要無形民俗文化財である「那智の田楽」も奉納されます。
三社一寺の年間行事
春(3~5月)Spring
4月上旬 新茶祭 熊野本宮大社
4月13日 湯登神事 熊野本宮大社
4月14日 産田社例祭 熊野本宮大社
4月14日 船玉祭 熊野本宮大社
4月14日 桜花祭 熊野那智大社
4月15日 本殿祭 熊野本宮大社
4月15日 渡御祭 熊野本宮大社
4月中旬 開山祭 那智山青岸渡寺
4月29日 木苗祭 熊野本宮大社
夏(6~8月)Summer
6月14日 あじさい祭り 熊野那智大社
7月9日 御滝注連縄張替式 熊野那智大社
7月14日 扇立祭 熊野速玉大社
7月14日 熊野那智大社例大祭(扇祭) 熊野那智大社
8月15日 精霊萬燈祭 熊野本宮大社
8月17日 お盆法要・御本尊開帳 那智山青岸渡寺
秋(9~11月)Autumn
9月下旬 秋彼岸法要 那智山青岸渡寺
10月第一土曜日 講社大祭 熊野本宮大社
10月第一土曜日 献詠披講式 熊野本宮大社
10月15日 神馬渡御式 熊野速玉大社
10月16日 神輿渡御式・御船祭 熊野速玉大社
11月3日 那智七福大黒天祭 那智山青岸渡寺
11月14日 紅葉祭 熊野那智大社
冬(12~2月)Winter
12月10日 御竈木神事 熊野本宮大社
12月27日 御滝注連縄張替式 熊野那智大社
12月31日 那智の滝ライトアップ
及び除夜祭 熊野那智大社
12月31日 除夜の鐘 那智山青岸渡寺
1月1日 開寅祭(あけとらさい) 熊野本宮大社
1月1日 初詣 熊野那智大社
1月1日 初詣 那智山青岸渡寺
1月2日 八咫烏交通安全祈願祭 熊野本宮大社
1月7日 八咫烏神事 熊野本宮大社
1月14日 船玉祭 熊野本宮大社
2月3日 節分祭 熊野那智大社
2月3日 節分会 那智山青岸渡寺
2月6日 お灯祭 熊野速玉大社
熊野那智大社について、さらに詳しくはこちらをご覧ください
https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/2862097
https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/2868434
交通アクセス
京阪神から電車・バスで熊野三山へ
熊野那智大社、那智山青岸渡寺へ
京阪神からJRきのくに線を利用して紀伊勝浦駅下車
紀伊勝浦より神社お寺前駐車場まで路線バスで約30分 、タクシー約20分。
紀伊勝浦駅からは、便利な定期観光バス(熊野交通ホームページ)も運行しています。
名古屋から電車・バスで熊野三山へ
熊野那智大社、那智山青岸渡寺へ
名古屋駅よりJRワイドビュー南紀にて紀伊勝浦駅まで約4時間。
紀伊勝浦より熊野交通の路線バスにて約30分。
紀伊勝浦駅からは、便利な定期観光バス(熊野交通ホームページ)も運行しています。
高速バス利用の場合
名古屋・名鉄バスセンターより、三重交通の高速バスにて紀伊勝浦駅まで約5時間。
紀伊勝浦より熊野交通の路線バスにて約30分。
東京から飛行機・バス
東京から飛行機・電車・バスで熊野三山へ
熊野那智大社、那智山青岸渡寺へ
東京 羽田空港より南紀白浜空港へ約70分。
空港より路線バスにてJR白浜駅まで約20分。
JR白浜駅より特急にて紀伊勝浦へ約1時間25分。
紀伊勝浦より熊野交通の路線バスにて約30分。
車で熊野三山へ
熊野那智大社、那智山青岸渡寺へ
京阪神より阪和自動車道 南紀田辺ICより国道42号線を通って約103km。
名古屋より東名阪自動車道から伊勢自動車道を通り、紀勢自動車道を経て国道42号から国道168号で約241km。
協力(順不同・敬称略)
熊野那智大社〒649-5301 那智勝浦町那智山 TEL: 0735-55-0321
熊野三山協議会事務局
〒647-8555和歌山県新宮市春日1-1新宮市役所商工観光課内TEL: 0735-23-3333
新宮市役所〒647-8555和歌山県新宮市春日1-1電話 0735-23-3333
公益社団法人和歌山県観光連盟
〒640-8585和歌山県和歌山市小松原通1-1和歌山県庁観光振興課内TEL: 073-422-4631
文化庁 〒100-8959東京都千代田区霞が関3丁目2番2号電話(代表) 03(5253)4111
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」の明和町観光大使
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