ZIPANG-2 TOKIO 2020「美濃瑞浪三十三霊場のご案内【第二十二番】恵照山 正宗寺 ~【第三十三番】鷹巣山 開元院 ~【客番】細久手庚申堂  役行者まで」  瑞浪(最終話)

このたびの平成30年 7月豪雨、9月台風並びに北海道大地震により、亡くなられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。

美濃焼 登り窯「与左衛門窯」

室町時代から続く、陶器を焼く文化を、後世に残すべく、平成17年に築窯された六連房の登り窯です。年1回毎年秋に5日間昼夜を問わず町民のボランティアのみなさんの手で焼き上げます。 隣接する体験工房与左衛門では、作陶体験ができます。また、毎月陶芸教室も開催しておりますので是非ご参加ください。

瑞浪市には、3基の登り窯があります。与左衛門窯は6連房、天神窯は3連房の窯です。いずれも年に数回火を入れて作品を焼き上げています。


美濃瑞浪三十三霊場のご案内

【第二十二番】恵照山 正宗寺

正宗寺の山門左手には、文政12年(1829年)の三十三観音と、元禄6年(1693年)の地蔵が並んでいます。本堂前には唐金の穏やかな面持ちの観音が立ち、参拝客を迎えます。白砂と白壁が美しい禅寺です。

●宗派/臨済宗妙心寺派(御本尊:十一面観世音菩薩)

●所在地/瑞浪市北小田町4-108

●TEL0572-68-2813


【第二十三番】大悲山 通源寺

市の南西に位置するこのお寺のご本尊は釈迦牟尼仏です。白壁が美しい本堂はお寺には珍しい北向き。子安地蔵の子育守本墓で、厚く信仰されています。

●宗派/臨済宗妙心寺派(御本尊:釈迦牟尼仏)

●所在地/瑞浪市西小田町2-2

●TEL0572-68-3994


【第二十四番】高松山 観音堂

行基菩薩が刻まれたと言われる馬頭観音が祀られている観音堂です。東の桜堂薬師に対し、西の高松観音と称し、元禄8年(1695年)の土岐巡礼三十三箇所の十一番札所にも選ばれました。

●宗派/臨済宗妙心寺派:正宗寺所属(御本尊:馬頭観世音菩薩)

●所在地/瑞浪市西小田町

●TEL(呼)正宗寺0572-68-2813


【第二十五番】薬王山 宝林寺

白壁が映える本堂は棟が高く勇壮な印象です。寺内の宝筐印塔は立願成就の守り神で、今尚厚く信仰されています。

●宗派/曹洞宗(御本尊:薬師瑠璃光如来)

●所在地/瑞浪市宮前町1-47

●TEL0572-68-2254


【第二十六番】巌谷山 清来寺

境内には、新四国八十八ヶ所石仏や、聖観音菩薩など数多くの石仏が祀られています。 「巌谷(岩屋)不動」と呼ばれるだけあって、そのそそり立つ岸壁は圧巻です。

●宗派/天台寺門宗(御本尊:不動明王)

●所在地/瑞浪市明世町戸狩874

●TEL0572-68-3712


【第二十七番】龍王山 一乗院

破風を飾る金の金具と朱色の欄干が印象的な本堂を持つ、日蓮宗のお寺です。開山上人の祈祷根本霊場として信者が多いそうです。七面大明神や瑞浪龍神堂、最上稲荷の社などが訪れる者を魅了します。

●宗派/日蓮宗(御本尊:一塔両尊四士)

●所在地/瑞浪市明世町戸狩931

●TEL0572-67-2811


【第二十八番】薬王山 東仙寺

除病延寺の本尊が祀られているお寺です。境内には三十三石観音が並び、静かで心落ち着く空間です。こちらに薬師如来が祀られたのは、寛永3年(1626年)とも言われています。

●宗派/臨済宗妙心寺派(御本尊:薬師如来)

●所在地/瑞浪市明世町戸狩636 

●TEL0572-68-8231


【第二十九番】佛日山 明白禅寺

市内では珍しい黄檗宗の寺院です。唐の僧・黄檗希運(臨済義玄の師)の名に由来するこの宗派は、日本において臨済宗、曹洞宗に次ぐ禅宗のひとつです。境内には花崗岩製の五輪塔があり、瑞浪市の有形文化財に指定されています。

●宗派/黄檗宗(御本尊:釈迦牟尼仏)

●所在地/瑞浪市明世町野内698

●TEL0572-68-2845


【第三十番】雲松山 大應寺

山門をくぐり、美しい波目の白砂を見ながら石敷きの山道を進むと、木々を背にした本堂が参拝者を迎えます。境内横には川が流れる、山間の静かなお寺です。

●宗派/臨済宗妙心寺派(御本尊:聖観世音菩薩)

●所在地/瑞浪市明世町月吉912

●TEL0572-68-3641


【第三十一番】恵日山 慈照寺

化石がご神体になった例は日本各地に見られますが、こちらのお寺でも巻貝の化石がご神体になっていました。残念ながら1960年代の火災でご神体は消失してしまいましたが現在も寺宝として巻貝の化石が大切に保管されています。

●宗派/曹洞宗(御本尊二十一面観世音菩薩)

●所在地/瑞浪市日吉町6003

●TEL0572-69-2700


【第三十二番】妙理山 増福寺

天文年中(1540年頃)の創建時は真言宗のお寺でしたが、その後僧侶が交代する際に曹洞宗となりました。 増福寺という名を表すように、山門前では七福神の石像が福福しい顔で出迎えてくれます。

●宗派/曹洞宗(御本尊:阿弥陀如来)

●所在地/瑞浪市日吉町4059-1

●TEL0572-69-2014


【第三十三番】鷹巣山 開元院

~昔話~

静まりかえったある晩のこと、禅師は文机に向かって書き物をしていました。するとほっぺたに冷たいものが当たるのを感じました。「声を出すな、さわぐと切るぞ」 強盗が刀をあてています。「働かずに人の物をとろうとは、まことにはずかしいことじゃ。さっさとお帰り」と禅師は静かにさとしました。「説教を聞きにきたんじゃない」と賊は、禅師の首を切りおとしてしまいました。めぼしいものをかき集めて引き返そうとすると、切られたはずの禅師が静かに書き物をしています。「お前は何者だ」と禅師は聞きました。「さっき首を切りおとしたはずなのに…」「おお、そういえばさっき首すじに冷たいものがあたったようじゃが…」こう言いながら禅師はふところから持仏として持っていた毘沙門天を取り出すと、その首は後ろから切られていました。賊はひれ伏して念仏を唱えました。その後賊は禅師にさとされて弟子入りし、開元院三代目のお坊さんになりました。

※この昔話は、「ふるさと瑞浪」のお話のあらすじを短くして掲載しています。


開元院は古くから土岐氏の守護寺であったと伝えられており、寺伝によれば嘉吉3年(1443)当時の領主土岐頼元により開山されたと言われています。山門、本尊の観世音菩薩坐像、駕篭が県や市の文化財に指定されています。


木造観世音菩薩坐像
鷹巣山開元院の本尊。檜材の寄木造り、玉眼の坐像。像の底の墨書銘によると、南北朝時代の文和5年(1356)に造られたことがわかります。

絹本著色月泉性印和尚頂相図
室町時代。月泉性印和尚の肖像画。和尚は、永平寺で修行の後諸国を巡り、永亨11年 (1439)に開元院の開山として招かれました。その後、総持寺へ移ったが再び開元院に戻り、文明2年(1470)に亡くなっています。

開元院 駕篭
江戸時代後期。主として武家が使用した権門駕篭で、祖先・主家の供養等の事由でゆかりの寺に寄進されたものと言われています。


●所在地 瑞浪市日吉町8846

●問い合わせ TEL.0572-69-2052 瑞浪市教育委員会 スポーツ文化課 TEL.0572-68-7710

●アクセス JR瑞浪駅下車タクシー15分 中央自動車道瑞浪ICより15分

●宗派/曹洞宗(御本尊:聖観世音菩薩)

●市・県指定有形文化財/聖観世音菩薩(文和5年(1356)


【客番】岩滝山 観音堂

室町時代に建てられた岩滝山 温光院というお寺の本尊を迎え祀っています。川のほとりに建つこの観音堂は天保11年(1840年)に建てられたものと言われ、両側に構える論栃梵字碑は、瑞浪市の有形文化財に指定されています。軒下に作られた大きな蜂の巣も一見の価値があります。

●御本尊/聖観世音菩薩

●市指定有形文化財/梵字碑

●所在地/瑞浪市釜戸町論栃

●TEL観光協会0572-67-2222


【客番】東林庵 薬師堂

土岐町大草の長閑な風景を見ながらそぞろ歩き細い脇道を抜けると、薬師堂につながる石段が見えてきます。竹藪を背にして建つ穏やかな表情の地蔵像がひっそりと佇みます。草深い里に信仰帰衣の場として、幾多困難を救ったと伝えられる仏堂です。

●御本尊/薬師瑠璃光如来

●所在地/瑞浪市土岐町大草

●お問合せ/瑞浪市観光協会 TEL.0572-67-2222


【客番】羽廣観音堂

弘法大師を祀る正方形の観音堂です。傍らには弥勒や阿弥陀など多くの石佛が置かれています。

●御本尊/聖観世音菩薩

●所在地/瑞浪市稲津町小里羽広

●お問合せ/瑞浪市観光協会 TEL.0572-67-2222


細久手宿 【客番】細久手庚申堂

宝暦以来の小堂宇を寛政10(1798)年の宿中大火のあと、宿の鬼門除けとして享和2(1802)年に再建したものです。 宿内はもちろん近郷や旅人からも「細久手宿のこうしんさま」として親しまれたお堂で、ここからは宿内が一望できます。境内には石造物が多く残っており300年余り前のものもあって当時の賑わいぶりが偲ばれます。

石窟内の像

役行者像(修験者)。下駄履像として珍重されています。 奈良時代初期に大和葛木山にいた呪術者で修験道の開祖としてあがめられ、山岳信仰に深く及んでいます。

●御本尊/青面金剛

●所在地/瑞浪市日吉町細久手

●お問合せ/瑞浪市観光協会 TEL.0572-67-2222


編集後記

本号を以て、ひとまず「瑞浪シリーズ」の最終話といたします。

鎹八咫烏は鳥の目で遠望俯瞰する癖があり、この度の記事の編集を手掛けているうち、初めて知ることばかり…まさに地元の "灯台下暗し"でした。

瑞浪市の各町では住民を挙げて、一年を通じて祭りやイベントが開催されています。それぞれの行事が近づいてまいりましたら改めてご案内いたしたいと思います。 


鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」の明和町観光大使


協力(敬称略)

瑞浪市観光協会 〒509-6121 岐阜県 瑞浪市寺河戸町1043−2瑞浪商工会議所内
電話: 0572-67-2222


※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。




ZIPANG-2 TOKIO 2020

2020年東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。この機会に、世界の人々にあまり知られていない日本の精神文化と国土の美しさについて再発見へのお手伝いができればと思います。 風土、四季折々の自然、衣食住文化の美、神社仏閣、祭礼、伝統芸能、風習、匠の技の美、世界遺産、日本遺産、国宝等サイトを通じて平和な国、不思議な国、ZIPANG 日本への関心がより深かまるならば、私が密かに望むところです。

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