平成30年7月豪雨により亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
神武天皇と八咫烏で始まる日本の夜明け
柳もなびく木船での粋な花魁道中
二年に一度の「山車揃え」豪華絢爛、なんと賑やかですね~
まつりの沿革
栃木に山車が誕生したのは、明治7年(1874)県庁構内でおこなわれた神武祭典のときで、倭町三丁目が東京日本橋の町内が所有する山王祭出御の静御前の山車を購入し、泉町が宇都宮から買い求めた諫鼓鶏の山車を賑やかに参加させたのが始まりだそうです。
これを機に山車への関心が高まり、各町とも大工や人形師に山車を作らせる動きが活発となった様です。
明治26年(1893)、栃木県最初の商業会議所開設認可に係る祝典では、万町一、二、三丁目が三国志の人形を東京日本橋本石町に住む人形師・ 三代目原舟月に、倭町二丁目は神武天皇の人形を乗せた山車を新調して参加しました。新旧6台が競演することとなり町をあげての喜びにひたった。更に明 治39年(1906)の神明宮・招魂社祭典では、室町が桃太郎の山車で参加して今日のかたちが出来上がりました。又、大町の弁慶の山車や明治の初めに購入した倭町一丁目の獅子頭が祭りの華やかさに花を添えているようです。
とちぎの山車祭りの名目は、当初神武祭となっていました。その後、神明宮・招魂社祭典を主軸に、会議所の祝典、ご大典奉祝祭に巡行してきまし た。昭和12年(1937)の市制施行祝賀を境にしてからは、おおよそ5年毎に開かれることとなり、市発展のまつりへと姿がかわり、現在では隔年開催とな っています。
栃木の山車(だし)は、江戸型山車と呼ばれており、山車を覆う幕は、金糸銀糸で刺繍された花や鳥、龍や鳳凰など山車ごとに特色のある刺繍が施されています。江戸末期から明治にかけての美術工芸文化の粋を集めた豪華絢爛な江戸型の人形山車は必見です。
一般には黒牛に曳かせた二輪車の上に三層の構造物があります。(二段上下可変式)
最上部には人形、次が上段幕に囲まれた枠、一番下が見送り幕で囲まれています。(二匹の牛で二日間曳いて金一両の雇銭であったという。)
高さの制限に対応。江戸城に入って将軍の上覧に供したことによるものです。即ち、江戸城には三十六箇所の見付(桝型を持つ城内の外方に面する部分で見張りをするところ)があり、その門がくぐれるように上げ下げ可能に造られています。
人形などの飾物は、町の成立や職種などを加味したものや、民間伝承、古事記、中国の英雄や歴史上の人物などがあります。
天照大神、劉備玄徳(万町一丁目)
山車の説明
車は三輪で、その内前輪は轅に締結した古式を踏襲したものですが、車輪の外輪に洋風の手法が加わった珍しいものです。人形座は軸部構造からの 「せりあげ」となっている、腰組を支える地覆は隅や中央に金具型の装飾を付けてあります。特に囃子座の上部の長押上には④雲と群鶴の彫刻があり、見事な出来となっています。
中段は三つ割とし、アーチ状の縁を連続し、その中に③十二支の彫刻を配してあります。岩座は①黒塗の三味線胴で四神の彫刻が配置してあり、彫刻と金具型隅飾りは金箔押しで、黒塗の胴によく映えています。
上段の幕は②緋羅紗地に飛竜・波頭紋刺繍の四面一枚続きです。見送幕は色違い錦襴の縫い合わせで、四隅に朱の揚巻がついています。
日本武尊、関羽雲長(万町二丁目)
山車の説明
車は三輪であり、前輪は組込み固定されています。腰を支持する地覆は中を引き抜き、波の彫刻にするなど技巧を凝らしてあります。囃子座上部の欄間装飾も、 ③雲紋の中に宝づくしの方形の板を市松に配する奇抜な意匠の装飾になっています。見送幕を支持する胴廻りの柱も、地彫りを施した見事なものです。中段部分は、④波に千鳥の彫刻に金箔が総体にかかり異彩を放っています。
上段の幕は②緋羅紗地に飛竜・雲紋を施した華麗なもので、高度な繍技によって表現されています。
見送幕は錦襴の縫い合わせで、裏地は印度更紗であすが配色も上品で優雅な幕です。
素盞嗚尊、張飛翼徳(万町三丁目)
山車の説明
車は三輪であり、蹴込みは黒檀地板に唐獅子彫が付されているが高度な技術によって彫られています。囃子座上部の長押は③金箔の雲形彫刻に鳳凰の彫刻を重 ねて付けて、柱は菊の透し彫りが付けられ大変に豪華です。台座の三味線胴は黒塗の花鳥彫りであるが、鳥のみ箔捺となっています。岩座の三味線胴は①朱塗りに金箔の竜の彫刻が付いており、その上は同じく朱塗りの刎高欄となっています。
上段幕は②白地の羅紗に朱雀・青竜・白虎・玄武の四神の刺繍があり、高度な技術によってよく映えています。
見送幕は錦襴で④七宝を朱とし亀・牡丹・菊が織り込まれ、色調・文様とも整い、上段幕とも調和し全体が見事な出来映えとなっています。
諌鼓鶏(泉町)
桃太郎(室町)
雄獅子・雌獅子(倭町一丁目)
神武天皇(倭町二丁目)
静御前(倭町三丁目)
仁徳天皇(嘉右衛門町)
弁慶(大町)
山車とお囃子の競演「ぶっつけ」
「ぶっつけ」とは、複数の山車が向き合って、お囃子を競い合うまつり一番の見どころです。各山車を引く山車の引き手の頭(かしら)同士の申し合わせによって「ぶっつけ」が始まります。「ぶっつけ」の時は、山車の引き手などが堤燈を振りかざし、掛け声をかけながら、お囃子を盛り上げます。お囃子の調子がズレた山車が道を譲るのがお約束です。
夜は幻想的にライトアップ
日が落ちた後は、堤燈の灯に照らし出された山車とお囃子の幻想的な世界をお楽しみください。
夜のぶっつけは一見の価値あり。
江戸芸かっぽれ(本まつり)
『梅后流江戸芸かっぽれ』による“かっぽれ”パレード。かっぽれとは、江戸時代の大阪・住吉大社で五穀豊穣を願った『住吉踊り』が始まりと言われ、曲に合わせて皆が楽しく愉快に踊りながら会場をパレードします。
町内巡行(本まつり)
午前中の市内は大騒ぎ!豪華絢爛な山車たちが町内を廻ります。蔵造りの建物が多く建ち並ぶ街道を練り歩く山車は、絶好の撮影チャンスです!!また、交差点を巧みに曲がり、電線や看板をすらりと交わす、山車繰り手たちの妙技を是非お楽しみください。
こども山車まつり(本まつり前日)
市内各地域から集まった小学生による山車(だし)曳きが行われます。
可愛らしい子どもたちが"はっぴ"を着て山車を引く姿は微笑ましく、きっと楽しい気分にさせてくれるでしょう。
栃木市の将来を担う子どもたちが伝統文化をしっかりと引き継ぎます。
凛々しい子どもたちの表情をご覧ください。
日時 2018年11月9日(金)・10日(土)・11日(日)
会場 栃木県栃木市:とちぎ蔵の街大通り
無料シャトルバスについて
総合運動公園・イオン栃木より会場までの無料送迎シャトルバスが運行します。始発以降のバス運行時刻については停留所の時刻表をご確認ください。※11月9日(金)は運行いたしません。
お問合せ先
栃木市産業振興部観光振興課観光イベント係 TEL:0282-21-2374
(一社)栃木市観光協会TEL:0282-25-2356 栃木商工会議所TEL:0282-23-3131
協力(順不同・敬称略)
栃木市役所 〒328-8686 栃木県栃木市万町9番25号TEL :0282-22-3535(代表)
蔵の街課 TEL :0282-21-2573
栃木市観光協会 〒328-0037 栃木県栃木市倭町14−1TEL : 0282-25-2356
栃木商工会議所 〒328-8585 栃木県栃木市片柳町2-1-46 TEL: 0282-23-3131
七夕まつりはどこも毎年開催されますが、今回ご紹介した「とちぎ秋まつり」は2年に1度の開催です。今回見逃すと次回は2020年に行われる東京オリンピック・パラリンピックの開催年迄待たなければ見ることができないのか…。ああ~2年以上も先カァ~(鎹八咫烏の嘆きの声です)
「とちぎ秋まつり」のメインの豪華絢爛な江戸型の人形山車は勿論のこと、何といっても山車の引き回しが行われる山車と背景が見事にマッチした、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような、更にその街の歴史を感じさせる蔵の街通りやそこに住む人々の生き様は見逃せませんね。
また、川船に乗って蔵の街並をご覧になるのも一興かと…
是非この機会をお見逃しなく…!
旅人にとって会場が栃木駅から近いのもいいですね!
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」の明和町観光大使
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